パリコレ中心4大コレクション、2021年春夏シーズントレンドと傾向

ニューヨーク、ロンドン、ミラノと続き、今シーズンもコロナ禍に負けずに取りを務めたパリ ファッションウィーク。日本では「パリコレ」と呼ばれていますが、他の3都市に比べてもやはり一番の注目度を誇ります。

Heuritechによると、SNS上のファッションウィーク関係の投稿のうち41%がパリに関するもので、2位のミラノが36%と僅差でつけているものの、ファッションの都の座を防衛しました。しかし、ミラノは前シーズン比でSNSの注目度を12ポイントと大きく伸ばしており、世の中の注目度が上がっていることもうかがえます。一方でロンドンはマイナス2ポイント、ニューヨークはマイナス12ポイントとやや失速した感も。

渡航制限や安全対策などもあり、どの都市も全体としての規模は縮小、デジタルとフィジカルが混在するファッションウィークとなりましたが、よりSNSの影響力が浮き彫りとなったシーズンでもありました。

ファッションウィーク、SNSでの人気度は

注目度1位のブランドは「シャネル(Chanel)」

 

Heuritechの調べでは、「シャネル」に言及したファッションウィーク関連の投稿が全体の10%近い割合を占め、他のブランドを引き離してトップとなりました。ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)手掛ける2021年春夏コレクションは、コロナ禍にも動じず、おなじみグランパレ(Grand Palais)を会場にリアルなショー形式で発表されています。

「Lights, camera, action」と題されたショーではハリウッドの看板を思わせる「CHANEL」の特大ネオンが設置され、パワーショルダーのボクシーなジャケットやテーラードべストなど、ヴィアールらしい若々しさを感じるコレクションが披露されました。スリングバックのシューズもイットアイテムになりそう。

その他、やはり生のショーを行った「ディオール(Dior)」、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」が6%超で続き、4位にはラフ・シモンズ(Raf Simons)を迎えた「プラダ(Prada)」がランクイン。こうして見ると、リアルなショーの訴求力が目立ちます。

スターデザイナーはジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)

 

デザイナー別の注目度では、ジョナサン・アンダーソンが首位に。「JW アンダーソン(JW Anderson)」と「ロエベ (Loewe)」の2ブランドを手がけ、デジタルでありながら、どちらも”ゲスト”あてにインスピレーションをつめたボックスを送るなど、フィジカルとの両立のあり方をクリエイティブに模索しました。ビデオでも自身のインスピレーションを上手く伝えてます。

次点でニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)がランクインしたほか、ベテランのドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)も5位に。

パリコレ中のイットバッグは「コペルニ(Coperni)」の「スワイプ」

パリコレ初日にランウェイショーを披露した「コペルニ」。セバスチャン・メイエ(Sébastien Meyer)とアルノー・ヴァイヤン(Arnaud Valliant)のデュオが作り出すミニマルでフューチャリスティックなコレクションはデビュー当時から業界でも高い評価を得ています。そんなブランドのアイコニックなバッグ「スワイプ(Swipe)」はセレブリティやファッショニスタにも愛用者が多いのですが、2021年春夏シーズンのパリでもストリートスナップに多数登場。「Stylight」での9月の「スワイプ」検索数は、前年同月比187.5%と爆発的に伸びたそうです。

トレンドはプロテクション&コンフォート

プロテクションウェアとマスク

 

ここ数シーズン、環境意識などの高まりからディストピア的な世界観を提案するブランドも少なくありませんでしたが、そのように漠然とした危機感はコロナ禍により現実的なものとなりました。

様々な形で顔を覆った「リック・オウエンス(Rick Owens)」、養蜂家にインスパイアされたという「ケンゾー(Kenzo)」の”面布”風ルックはもちろん、「パコ ラバンヌ(Paco Rabanne)」はアイコニックなチェーンメイルでドレス同様頭もすっぽりと覆ったスタイルを披露しました。

 

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リラックス素材とスリッパ

 

コロナ禍のもう一つの影響として、在宅時間の増加が挙げられます。世界的に外出の制限が設けられ、仕事はテレワークが推奨されている今、かっちりと窮屈な洋服の出番は減少しつつあります。そんなムードを反映し、ランウェイでもリラックスした素材やシルエットが目立ちました。

「バレンシアガ(Balenciaga)」のプレコレクションで見られたスウェット素材とスリッパサンダルや、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のオーバーサイズなシルエットが印象的だったほか、新たなワーキングウェアとしては、「サルヴァトーレ・フェラガモ(Salvatore Ferragamo)」のソフトなスーツや、「アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)」のリラックスしたナチュラルなジャケットスタイルなども。

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トレンド、ショッピング、ビジネスニュース、パリ生活。在仏10年近い現役ファッション関係者が、モード ラバーから業界人まで幅広くファッションに携わる方々に向けて独自の情報を発信しています。