2020年7〜9月、最も”ホットなブランド”は「グッチ」 

ファッションショッピングプラットフォーム「Lyst」が発表した2020年第3四半期(7〜9月)の「最もホットなブランド」ランキングでは、「グッチ(Gucci)」がトップになりました。それに「オフ-ホワイト c/o ヴァージル・アブロー(Off-White c/o Virgil Abloh)」、「ナイキ(Nike)」が続きます。

「Lyst」は年間1億人以上がアクセスし、1万2000以上のブランドや店舗を横断的に検索し商品を購入しているそう。発表されたデータには、コンバージョン率や売上高、グーグルでの検索、SNSのメンションとエンゲージメントなどが含まれており、全世界からのアクセスを解析しています。

 

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ブランドトップ10

1位「グッチ(Gucci)」

前四半期は3位だったものの、晴れてトップに返り咲いた「グッチ」。7月にライブ配信された「エピローグ(Epilogue)」コレクションは3500万人が試聴し、デジタル注目度ナンバーワンのブランドになりました。

「Lyst」でのPV数も前年同期比で52%と大きく伸びています。

2020年秋冬キャンペーンでは自宅で撮影したモデルのセルフポートレートを起用したり、ウェブサイトではジェンダーレスなセクション「Mx」を開設するなど、新たなアプローチも注目を浴びています。

2位「オフ-ホワイト(Off-White)」

ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)は7月、黒人のファッション学生に向けた100万ドルの奨学金ファンドの設立を発表。社会的な取り組みでも注目を浴びました。

他にも、メルセデスベンツのコンセプトカー制作といったファッション以外のコラボレーションに注力したほか、ロンドン、マイアミ、ミラノに新店舗を開設するなど話題には事欠きません。

エアポートテープフーディーは、メンズの注目アイテム10位にもランクインしています。

3位「ナイキ(Nike)」

EC売上を82%と大きく伸ばした「ナイキ」は、とにかく多様なコラボレーションで絶えず注目を浴びています。

「ディオール(Dior)」とコラボした「Nike Air Jordan 1」は7月に発売されましたが、8500足限定のアイテムには500万人が予約に殺到。2200ドルのスニーカーのリセール価格は、12倍近くにまで跳ね上がりました。

その他、トラヴィス・スコット(Travis Scott)モデルのエアマックスもメンズ人気アイテム6位に食い込んでいます。

「ナイキ」は、初のマタニティコレクション発売、人種差別撤廃に向けたマイケル・ジョーダンの寄付でも注目を浴びました。

4位「プラダ(Prada)」

何と言ってもラフ・シモンズ(Raf Simons)起用が大きな話題をさらった「プラダ」。ECの売上は3ケタ台の成長を遂げています。

また、シューズ人気はウィメンズ・メンズともに根強く、厚底ソールのローファーとコンバットブーツが6位と7位にランクインしました。

新型コロナウイルス感染症に対するユネスコ支援のため、サザビーズとのチャリティオークションを行ったりといった取り組みも。

5位「バレンシアガ(Balenciaga)」

2020年秋冬キャンペーンにはカーディ・Bを起用したほか、Apple Musicと提携し、プレイリスト配信を行うなど、音楽の世界からのアプローチも広げています。

社会的な取り組みとしては、乳がんの予防研究を支援する「We Are Pink」カプセルコレクションを発売しました。

6位「フェンディ(Fendi)」

キム・ジョーンズ(Kim Jones)がウィメンズウェアのアーティスティックディレクターに就任したニュースで注目された「フェンディ」。

ロゴピアスはウィメンズ人気アイテム10位にもランクインしています。

7位「ヴェルサーチェ(Versace)」

2021年春夏コレクションのランウェイショーはライブ配信され、一般消費者の注目度も上がりました。

ベラ・ハディッド(Bella Hadid)とヘイリー・ビーバー(Hailey Beiber)を起用した「Dylan Blue)フレグランスキャンペーンのローンチで、SNSでも話題に。

また、ホームコレクションのバスローブをパーソナライズできるサービスを開始しましたが、コロナ禍によるホームウェア需要の高まりにうまく適応した例だと言えるでしょう。

8位「サンローラン(Saint Laurent)」

2020年秋冬キャンペーンは、ユルゲン・テラー(Juergen Teller)が撮り下ろしました。また、ジョン・ウォーターズ(John Waters)監督をメンズのキャンペーンに起用するなど、意外なアプローチでも注目されています。

ヘルムート・ラング(Helmut Lang)とは、彫刻作品の共同制作で芸術的なコラボレーションを実現しました。

9位「ボッテガ ヴェネタ(Bottega Veneta)」

SNSでもオフランウェイのストリートスタイルでも頻繁に登場するダニエル・リー(Daniel Lee)の新生「ボッテガ ヴェネタ」。2020年上期にはEC売上が3倍近く伸びました。

ウィメンズ注目アイテムの4位には、タイヤ ブーツがランクインしています。

10位「ヴァレンティノ(Valentino)」

ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)はCFDAのインターナショナル・ウィメンズデザイナー・オブ・ザ ・イヤーを受賞。

新フレグランスキャンペーンにレディ・ガガ(Lady Gaga)を起用したほあ、ローマの病院に寄付をしたことでも話題に。

ファッションへの回帰とデジタルアプローチの重要性

「Lyst」によると、ファッションらしいファッションに回復の兆しが見られているということでした。スウェットやフーディといったアイテムに限らず、バッグやハイヒールなどへの需要も高まっているといいます。

それでもリラックスしたアイテムに人気が集まっているのは事実で、「確固としたパーソナリティのないブランドは苦しんでいる」と「Lyst」は分析。オンラインでの売上も急速に伸びているなか、デジタルへのアプローチが適切だったブランドは大きな成功を収めました。

新進ブランドへの注目度も急上昇

一方で、トップ10入りはしなかったものの、よりニッチな新進ブランドへの需要も伸びているようでした。「マリーン・セル(Marine Serre)」や「フィア・オブ・ゴッド(Fear of God9」がトップ20入りを果たしています。

”最もホットな”アイテム

ウィメンズ

1位:「テルファー(Telfar)」のショッピングバッグ
2位:「マリーン・セル(Marine Serre)ムーンプリントのストレッチトップ
3位:「ジャックムス (Jacquemus)」のバケットハット「Le Bob」
4位:「ボッテガ ヴェネタ(Bottega Veneta)」のタイヤブーツ
5位:「House of Sunny」の「Hockney」ドレス
6位:「プラダ(Prada)」のロゴ ローファー
7位:「ガニー(Ganni)」レザーバルーンスリーブドレス
8位:「シャネル(Chanel)」セカンドハンドダブルフラップバッグ
9位:「Grateful Dead x Chinatown Market x Crocs」タイダイクロッグス
10位:「フェンディ(Fendi)」FFイヤリング

メンズ

1位:「Dior x Nike Air Jordan 1 High OG 」スニーカー
2位:「ビルケンシュトック(Birkenstock)」の「ボストン」
3位:「ナイキ (Nike)」のテックフリースジョガー
4位:「アグ(Ugg)」のスカッフ デコスリッパ
5位:「Balenciaga」のロゴテニスソックス
6位:「Nike x Travis Scott Air MAx 270 Cactus Trails」スニーカー
7位:「プラダ(Prada)」レザーコンバットブーツ
8位:「パタゴニア(Patagonia)」バギーショーツ
9位:「アディダス(Adidas)」フェイスマスク
10位:「オフ-ホワイト(Off-White)」エアポートテープ フーディ

注目アイテムとブランド

「テルファー(Telfar)」

 

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「Not for you, for everyone(君だけのものじゃない、皆のもの)」をモットーに掲げる「テルファー」のバッグは、150ドルと求めやすい価格ながら、カルト的な人気を誇っています。需要は270%と大きく伸びたそう。

「BLM」運動やエシカルな消費行動も後押ししましたが、アフリカ系アメリカ人のデザイナー、テルファー・クレメンス(Telfar Clemence)はCFDAアワードにも選ばれています。

アメリカの政治家アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-CortezAlexandria Ocasio-Cortez)がインスタグラムに「テルファー」のバッグを投稿したことでも話題に。「アグ」とのコラボレーションも発表され、ブランドの検索数は61%増加しました。

「マリーン・セル(Marine Serre)」

 

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フランスの「マリーン・セル」はファッショニスタに注目される新進ブランドでしたが、一般にも広く知られるようになり、83%と大きく需要を伸ばし、初のトップ20入りを果たしました。

アイコニックなムーンプリントのトップスは、ビヨンセのミュージックビデオをはじめ、アデル、カイリー・ジェンナー、ブラックピンクのメンバーなどが着用するなど、セレブリティによる露出で、検索数が426%も増加したといいます。サステナビリティといった側面や、フェイスマスク類の人気も後押し。

SNSで人気の「House of Sunny」

 

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「House of Sunny」はロンドンを拠点としたオンラインブランドで、サステナブルを意識した数量限定生産のアイテムがSNSを中心に人気を博しています。

5位にランクインしたグリーンの「Hockney」ドレスは、ケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)が着用画像を投稿したことで注目度が急上昇。ブランドの需要は45%と大きく増加しました。

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