ケリング、第3四半期は回復傾向も「グッチ」は鈍く 「ボッテガ」は健闘

「グッチ(Gucci)」や「サンローラン(Saint Laurent)」などを擁するケリング(Kering)が発表した2020年第3四半期(7〜9月)決算は、売上高が報告ベースで4.3%減の37億1770万ユーロ(約4620億円)となった。比較ベースでは1.2%の減収。43.5%の減収となった前四半期(4〜6月)から大幅な回復を見せた。

「この厳しい状況下で、ケリングは大幅な収益改善を果たした。それぞれのメゾンのクリエイティビティと組織の機敏な動きによって、売上は前年同期とほぼ同じ水準にまで戻っている。戦略的なイニシアチブを実施していくが、中でもEC事業の内部化は新たな段階に入った。引き続きプラットフォームの成長を支えるつもりだ。財政状況は堅固で、最近強化されたことから、メゾンへの投資を継続し、ブランドのエクスクルーシビティとポジショニングを固めていく。先行き不透明な状態は続いているが、露出が制限される中でも徐々に好調な業績を収めていくことができると信じている」とフランソワ=アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)会長兼CEO。

既存店売上高はほぼ前年並み

7〜9月の傘下ブランド直営店舗での売上高は、ほぼ前年同期と同じ水準にまで回復しているという。特に、国内需要に支えられた北米では44%増(前四半期66%減)、アジア・太平洋地域では18.5%増(前四半期12%減)と、一部地域では増収に転じた。中国本土の好調な売上がけん引した。

一方で、西欧の売上高は41%減(前四半期は66%減)、日本でも22.8%減(前四半期62%減)となっており、観光客の減少に大きく打撃を受けている地域の回復は鈍い。

「グッチ」は減収継続

核ブランドである「グッチ」の売上高は、報告ベースで12%減の20億8780万ユーロ(約2593億1800万円)。「急速な回復を見せた」ものの、観光客減少を現地客需要では相殺できず、増収転換には至らなかった。

北米では44%の増収と好調で、比較対象である前年同期が高い数値だったアジア・太平洋地域も11%の増収。一方、観光客需要の比重が大きかった西欧が47%減、日本が26%減となっている。

チャネル別に見ると、小売事業の売上高は比較ベースで4%減。オンラインでの売上は全国で大幅に拡大し、同事業の売上の13%を占めたという。卸売に関しては、ブランドのエクスクルーシビティ強化を目的に、外部の小売業者を整理・抑制したこともあり、32%減と大幅に落ち込んだ。

「サンローラン」はほぼ回復

「サンローラン」に関しては、直営店・卸売ともにほぼ前年並みに回復。売上高は報告ベースで0.8%増、比較ベースで3.9%増の5億1070万ユーロ(約634億6500万円)となった。

小売事業は5.8%増。ヨーロッパ、北米では国内需要に支えられたほか、アジア・太平洋地域でも、店舗網拡大によるブランド認知度の向上でマーケットシェアが拡大したという。
オンラインでの売上は前年同期比で倍増しており、6月に中国のECサイトを開設したことが貢献した。

卸売事業も、最新の2020年秋冬コレクションが成功を収め、3.4%の増収となった。

「ボッテガ ヴェネタ(Bottega Veneta)」は増収

規模としてはまだ小さい「ボッテガ ヴェネタ」だが、コロナ禍でも伸び率は著しい。コレクションは既存客と新規客の双方に受け入れられたとされており、売上高は報告ベースで17%増、比較ベースで21%増の3億3250ユーロ(約372億8100万円)だった。

直営店売上は12%増で、非常に好調に推移したアジア・太平洋地域と、堅調な北米がけん引した。

オンラインの売上高は3ケタ台の成長を記録したという。卸売事業は63%の増収だった。

 

(2020年10月24日現在、1ユーロ=124円で換算)

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