メキシコ文化省、”文化盗用”で「イザベル マラン」に説明求める

メキシコの文化省は、「イザベル マラン(Isabel Marant)」が同国先住民の伝統柄を無断で使用したとして、説明を求める声明を発表した。

問題となったのは「イザベル マラン エトワール(Isabel Marant Etoile)」ラインの2020-21年秋冬コレクションに使われたモチーフで、ミチョアカン州のプレペチャ族の伝統的な意匠だという。

Vogue

The complete toile Isabel Marant Fall 2020 Ready-to-Wear fas…

部族の文化にとって「深い意味合い」を持つシンボルも

同国のアレハンドラ・フラウスト文化長官は、イザベル・マランに向けた書簡の中で、「あなたが使ったシンボルの中には、部族の文化にとって深い意味合いを持つものもある」と主張。「とても古くからあるもので、職人が代々継承して守ってきたもの」だと説明した。

集団の所有物を独占し、デザイナーのコミュニティの利益のために使用したのはなぜなのか、公に説明を求めたい」と文化長官。

また、「イザベル マラン」がメキシコの伝統文化を無断使用したのは今回が初めてではなく、2015年春夏の「エトワール」ラインでも、サンタ・マリア・トラフイトルテペックのデザインを取り入れていたとも指摘されている。

ファッション業界の文化盗用問題

他のブランドでも、メキシコの伝統柄を盗用したとして問題になった事例は少なくない。昨年は「キャロリーナ ヘレラ(Carolina Herrera)」の2020年リゾートコレクションや、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のインテリア「Dolls by Raw Edges」に対し、フラウスト文化長官が書簡を送っている。

こうした部族の伝統デザインが単なるインスピレーションではなく「盗用」と見做されるケースは増加している。昨年5月には、パナマの先住民族グナ族が「ナイキ(Nike)」の『ナイキ エアフォース1 “プエルトリコ”2019(Nike Air Force 1 ‘Puerto Rico’ 2019)』モデル販売中止を訴えた

グナ族を研究しているバルセロナ大学のMonica Martinez教授は、「世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization)でも議論されており、先住民族の人々からも何か対策を講じるべきだという声が上がっている。しかし、現状では何の対応もありません」とAFPに語っている。

意匠の盗用以外でも、キム・カーダシアン(Kim Kardashian)が自身のブランドを「キモノ(Kimono)」と名付けたことで「文化盗用」と物議を醸し、「Skims」へと改名したことは記憶に新しい。

「ディオール(Dior)」がジョニー・デップを起用した香水のキャンペーンでも、ネイティブアメリカンの文化を盗用したとして批判を受け、広告を取り下げる騒ぎもあった。

 

 

 

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