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エルメス 、2020年7〜9月は7%の増収に転換 アジアがけん引

エルメス (Hermès)が発表した第3四半期(2020年7〜9月)決算は、売上高が恒常為替レート換算で7%増の18億ユーロ(約2227億5600万円)と、増収に転じた。実店舗での売上が12%増と大きく伸びたほか、非常に勢いのあったアジアをはじめすべての地域で大きく上向いたという。

「2020年については、社会的・環境的責任に関する戦略的なコミットメント、デジタル化の成果と、アジア市場におけるポジティブな動向が続くと見ている。先行き不透明な状態ではあるものの、こうした深い長期的な変化に根差し、業績についても自信を持つことができている。好調な業績を受け、投資や雇用の創設も継続する。エルメス 社に日々携わり、メゾンを成長させてくれているチームすべてに感謝したい」とアクセル・デュマ(Axel Dumas)会長。

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photo:AJIP

第3四半期累計(2020年1〜9月)は14%減

 

店舗売上回復もトラベルリテールは苦境

累計期間(1〜9月)の売上高は恒常為替レートで14%減の42億8800万ユーロ(約5300億5700万円)と大きく落ち込んだが、特に卸売事業が打撃を受けている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全世界で臨時休業が相次いだ直営店舗での売上高は11%減となっているが、これは営業を再開した第3四半期になって大きく回復し、12%増と増収に転じている。オンラインの需要に関しては、トラフィック・コンバージョン率ともに急速な増加を続け、「その傾向が途切れることはなかった」という。

一方で、トラベルリテールが主要な卸売事業は、現在でも各国間の移動が大きく制限されていることに打撃を受けており、1〜9月には35%の減収となった。

日本を除くアジア地域は増収

地域別に見ると、日本を除くアジア市場は累計期間中も非常に好調に推移し、4%の増収を計上。第3四半期単体の売上高は29%増と非常に大きく伸びた。特に中国本土、韓国、オーストラリア、タイで「特筆すべき業績」を記録しているほか、香港でとシンガポールでも回復傾向が見られた。

オンラインでの売上も拡大し続けているが、香港に今年開設されたECサイトからの恩恵を受けたという。

日本は11%減も第3四半期に増収転換

春ごろに店舗の臨時休業があった日本では、1〜9月の売上高は11%減となっているが、第3四半期にはやはり11%増と持ち直し、増収に転じている。前年同期には増税前需要があったため、比較対象は高い水準となったが、国内の得意客の消費により勢いを保った。

アメリカとヨーロッパは引き続き停滞

再感染が広がる米州とヨーロッパでの売上は落ち込み続けている。米州は1〜9月で29%、第3四半期でも5%の減収と、回復傾向は見られたものの引き続き停滞。8月からハワイの店舗が再度休業していることも影響した。

欧州は観光客の減少に打撃を受けている。1〜9月はフランスを除くヨーロッパで27%減、フランスで33%減と大幅に落ち込んだほか、第3四半期単体でも、フランスを除くヨーロッパは10%、フランスは23%減と回復には至っていない。

レザーグッズ、アパレル、ウォッチは増収転換、スカーフはトラベル消費に打撃

セグメント別の数字では、バッグを含むレザーグッズ&馬具事業は、第3四半期に8%の増収に転じ、1〜9月も13%の減収にとどまった。2021年にもフランス国内に工場の増設を予定しているという。

また、レディ・トゥ・ウェアとアクセサリー部門も第3四半期には7%の増収。1〜9月の落ち込みは16%となった。

しかし、スカーフ に代表されるシルク・テキスタイル事業は、トラベルリテールの落ち込みを受け、第3四半期にも20.5%減と停滞した状態が続き、1〜9月には32%と大幅な減収を計上した。

同じくパフューム事業もトラベルリテールに依存するところが大きく、第3四半期にも減収が継続。1〜9月の売上高は22%減となった。

ウォッチ事業は第3四半期に大きく伸びて13%の増収に転じ、1〜9月の減収は8%にとどまっている。

ジュエリーやホームウェアが好調だった「その他」事業に関しては、前半の落ち込みが厳しく1〜9月は21%減となったものの、第3四半期に42%と非常に大きな伸びを記録した。

中期的には「野心的な」予想を据置き

具体的な数字は明かされなかったものの、「経済・世界情勢・為替の先行き不透明が続くが、グループは引き続き、中期的に恒常為替レート換算で野心的な増収率を予想している」と同社。

コロナ禍収束の見通しがつかないなか、「高度に統合されたアトリエでの生産モデルとバランスの取れた店舗網、コレクションの訴求力や顧客のロイヤルティが、未来への展望と営業再開についての自信に繋がった」としており、創造性やノウハウ、独自のコミュニケーションに基づく長期的な成長戦略を引き続き遂行していくという。

 

(2020年10月22日現在、1ユーロ=124円で換算)

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トレンド、ショッピング、ビジネスニュース、パリ生活。在仏10年近い現役ファッション関係者が、モード ラバーから業界人まで幅広くファッションに携わる方々に向けて独自の情報を発信しています。