フランスのロックダウン:アパレルは”必要不可欠”でない?「不公平」との声

フランス全土で10月30日から再度のロックダウンが導入されました。前回同様、国民は自宅から半径1km以上の外出を制限されますが、近場での運動や医療機関への移動のほか、テレワークができない場合の通勤、介護施設への訪問などが許可され、学校での授業継続や公共機関窓口の営業継続、公園の開放など、前回よりはいささか「緩和」された内容に。

また、「必要不可欠な」商店の営業継続も初回とは異なる点と言えるでしょう。しかし、「必要不可欠」の定義が業種の間で格差を生み、物議を醸しています。

外食産業はもちろん、クリスマス商戦が鍵になる玩具・ギフトを扱う商店や、アパレル・シューズといったファッション関係の小売店は、営業を継続できる大手スーパーとの競合もあり、不公平感を募らせています。

フランスのアパレル・シューズ企業や都市圏の商業施設などで構成されるL’Alliance du Commerceは、政府の決定に異を唱える声明文を発表しました。

必要不可欠でない商店の休業は「理解できず、根拠のない、不平等な」決断

L’Alliance du Commerce は、春の時点から、マスク着用義務化、ソーシャルディスタンス遵守、入店人数の制限といった措置を行ってきており、「フランス公衆衛生局のデータによると、小売商店でクラスターが確認された例はない」と述べています。

さらに、実店舗での販売を中心とする企業と、オンライン専業の”ピュアプレーヤー”との格差についても言及。「必要不可欠でない」と判断された商店が休業しても、オンラインショップや、あるいは大型スーパーなど営業を許可された他の店舗で同じ商品が販売される可能性があることを指摘しています。

年末にかけてのホリデーシーズンが鍵となる商店は多く、アパレルにとっては年間売上高の20%を占める重要な時期となっていると同団体。同じ商品を取り扱った場合の「不平等」に触れました。

フランスのアパレル業界はすでに逼迫、2020年には最大27%減の予想

フランスモード研究所(Institut Franèçais de la Mode=IFM)のデータによると、2020年のフランスにおけるテキスタイル・アパレル産業の売上高は、20〜27%近く落ち込む見込みだと言われています。

また、1〜9月の期間の実店舗の売上高はすでに22.7%と大幅に低下している一方で、オンラインでの売上高は14%増と拡大。再ロックダウンで販売チャネルによる格差は益々大きくなることが予想されます。

L’Alliance du Commerceも、「経済的・社会的打撃が非常に大きくなる」とし、「ここ数ヶ月で会社更生法申請や解散といったケースが膨れ上がっている」と指摘していました。同団体によれば、アパレル業界ではすでに5000人以上が解雇されているとのことです。

現在、議員らに呼びかけて「必要不可欠でない」商店の営業再開を訴えているというL’Alliance du Commerce。「可能な限り差し戻し方法を模索していく」としています。

 

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