シャネル(Chanel)社が、イタリアの老舗シューズメーカー「Ballin」を買収した。イタリアのPambianco Newsをはじめ複数の海外メディアが報じている。

「Ballin」はイタリアのリヴィエラ・デル・ブレンタで1945年に創業。現在200人の従業員を抱え、年間25万足の靴を生産している。シャネルにとっては、7月の革工房「Gaiera」に続き今年2件目となるイタリア企業買収だ。
「シャネルは『Ballin』の主要な顧客であり、相互の利益が一致したことで今回の取引が実現しました。『Ballin』は長期的な可視性を約束できるような堅固なパートナーを求めており、シャネルとしては、自社の事業はもちろんラグジュアリー業界全体にとって欠かせないサプライチェーンを強化したいという考えでした」とPambianco Newsは引用している。
シャネル社は今までにも多数のサプライヤーを取得しており、2018年にはフランスのHaasとスペインのColomer Lether Group、昨年はイタリアのSamantaとフランスのDegermannなど、ここ数年でヨーロッパの皮革工場を積極的に買収している。
さらに、シャネルは伝統工芸(métiers d’art)の工房を束ねる子会社パラフェクション(Paraffection)を通じて、イタリアの製糸工房Vimar 1991を獲得したばかり。パラフェクションには、他にも刺繍のメゾン・ルサージュ(Maison Lesage)、羽根細工のルマリエ(Lemarié)、靴工房マサロ(Massaro)、コスチュームジュエリーのグーセンス(Goosens)、手袋のコース(Causse)といったフランス国内のアトリエから、スコットランドのバリー ニットウェア(Barrie Knitwear)などが傘下に収まっている。